給料日の後は、本を買うことがよくある。
最近あまり衝動買いするような服や靴に出会わず
それより気軽に浪費した気分になれるのが、本の買い物だからだろう。

文庫を手にする度、レジに向かう前の瞬間、
あれ、文庫ってこんな高いっけ
と思う。

でもいい、給料が出たばっかりで懐も気も少し大きくなっている。
そしてレジで会計を済ますと、私は少しいい気分になれている。


先月はたしかブコウスキーを二冊買った。

町でいちばんの美女 (新潮文庫)

町でいちばんの美女 (新潮文庫)

ありきたりの狂気の物語 (新潮文庫)

ありきたりの狂気の物語 (新潮文庫)

棚に飾るような本と、
言葉の連ね方やフォントにまでその美しさを求め、また本からそれが返ってくる本。
それから、そういうのとは関係なく、どれだけ装丁がださくても文体を好きになれなくても
物語の続きが気になって、スラスラ読み進められる本。
私の中では本にこういう分類の仕方がある。
(でも大抵はそばに置いておきたい美しい本と、スラスラ読めて一回読めば大体満足、という二種類だけど)

ブコウスキーのこの二冊は、たぶん最初の三分類の一分類だな。
それは表紙の写真のお陰。
装丁は微妙だけど。
それに名前が、いい。
ブコウスキー
ブラックコーヒーを思わせる名前。
すごく濃い茶色のイメージ。

自分で買った本なのに、最初のページから一枚ずつ繰らずに飛ばしたり前の話に戻ったりして読んだ本はこれが初めてじゃないか?
引き込まれるものもあれば、
ほんとにクソみたいなのや
まったく興味が湧かないものもあったためだ。
そして引き込まれるものは20に1くらいで
話ひとつ全体でいいと思ったのは今のところ一話しかない。
(つまりまだ読み終わっていない)
(というか飛んだり戻ったりしてるからその把握もよくできない)

でもその時たまある引き込まれる言葉には、
紙に書いておきたいくらいの強さがある。
たぶんインパクトと人は言う。
詩は短い文章で格言を語るが、
散文はだらだらと長い文章で中身がない。
というような(かなりうろ覚え)文章が本の中にあって
この二冊を読んでページを飛ばすたびその言葉を思い出した。


グラスホッパー

グラスホッパー

そして今月の買い物はこれ。
コインロッカーが映画化されるにあたり、友人が松田龍平目当てに観に行きたいと長電話の最初に言っていて
ボーっとしていた私はとりあえず彼女にそのあらすじを10分くらい掛けて全部話させた。
(うん、うん、で?うん・・を繰り返していたらそうなった)
(もちろん内容はあまり覚えていない)
どうせなら違うものを、と思い、平積みコーナーでこの作家の本が3冊並べられていたので
比較的興味深そうなものを手に取った。
まだ話が展開し始めたばかりのところだけど、おもしろい。
これはすらすら読み進められるジャンルだな。
でも文体もそれほど嫌いじゃない。