■

SMOKE [DVD]

ああ・・いい映画でした。
観た人ほぼ全員がいい映画と言うような映画のようです。
一区切り毎に、人生を通して観たくなるような映画。
観ていて、なにか絵を描きたくなりました。

人と人との繋がり、人と物と人との繋がり、人と場所と人との繋がり、あるシンボルの繋がり、
色んなところの繋がりに気付く度グッとくる。

サイラス役のフォレストウィテカーはどっかで観たことあるなあと思ってたんだけど、たぶんラストキングオブスコットランド（何文字だよこれ）の人かね。
オーギー役のハーベイさんは、なんかショーンペンと似てるなあと思って観てた。
アシュレイジャッドも名前聞いたことあるし、顔もみたことあるんだけど何で見たんだかわからん。
しかしどの出演陣も、顔でする演技がすばらしかった。
サイラスは、ラシードに対してホラ吹き！と罵倒しながらラシードを非難するために伸ばした左腕に気付いた瞬間の顔。
憤りと悲しみが頂点に達してパニックになっているところへ、さらにむなしさと悔いが乗っかったようなあの表情。
ラシードにサイラスが話した、義手をつけるようになったまでの顛末。
左腕を見る度、自分は愚かで自分勝手な人間だと悔い改めると話したこと。
寸分違わずラシードがサイラスに「それで？改めたの？」と聞いたこと。
義手をつけることになった理由もラシードとのエピソードも、あの表情と構図で一気にフラッシュバックした。

オーギーは、クリスマスの話をした後のあの笑顔。
あんな笑顔で人が話すところを私は見たことがあるかしら。
もし見たら、忘れたくない。

フェリシティは、散々オーギーとルビーを罵って帰した後の顔。
泣くわけでもなく、物に当たるわけでもない、何か言うわけでもない、全部持ってる感情を顔だけに出した、ってあの顔。
素晴らしい。
いやどれもとても印象深い顔でした。

気になったのは、ルビーの眼帯とサイラスの義手。
なんかピーターパンのフック船長みたいじゃない？
サイラスもちゃんとカギ爪の・・って言ってるし。
あと他の人のレビューを見ていて気付いたこと。
登場人物のついた嘘。
たしかにみんな嘘をついてる・・
バカらしかったりくだらなかったり切なかったりする嘘
嘘も繋がってるし、一人一人の思い出や記憶もちょいちょい繋がってて・・とにかくいろんな繋がりを感じてぐっときた。

なんかこう、人もそうだけど、話もしつっこいところがなくて、割とあっさりしている感じがあってね
何かを安売りしたり押し付けている部分がなくて。
それで最後にエンドロールと一緒に、オーギーのクリスマスの一部始終をセピアでみせられちゃうだもんなー。

時間が経ったらまた観たいです。
さっきそう書いたけど。