最近本当に文章を書かない。
でもせっかくだから、書いておこう。

  • 4/29(木)

連休初日。普段の通勤時間と変わらないくらいの時間に家を出て、東京駅から高速バスに乗る。
東京駅は改装中?でrimowaちゃんがガタガタ不満そうでした。
天気予報通りの快晴。
途中で強い通り雨があるかも、というのも的中。
六本木を出てセンター街を高速から眺め、世田谷、とどんどん大都市東京を抜けていくと
だんだん怪しい雲行きに。
そのまま大粒の横殴りの雨がバスの窓を打ち付けた。
布団を干したままだったので兄にメールするも
「ごめん!打ちっぱなしに来てるからできない!」。
ずぶぬれになったであろう高級羽毛布団に憂いを
すぐに通り過ぎていった雨の後の晴れ間に期待を、それぞれ残してさようなら東京。


連休なので道路の混雑が予想されます、すでに●●高速では渋滞が発生しています、
と散々バスの中で脅かされたが
昔京都に行った時には、道が空いていて京都駅到着予定時刻より2時間程早く着いてしまったことがあった。
まだ春には遠く、ほの暗い早朝に駅に放たれ震えながらマックかなにかで待った。
あの時に比べたら、今は陽気だし、どうせ到着予定時刻は夕方なんだから少しくらい遅れてもどうでもよかった。
本を読みつつ、SAで体を休めつつ、少し眠ったり、外の風景を見たりしながら京都駅に辿り着く。
17時半近くと、予定時間より30分程度の遅れで済んだ。


観光シーズンならぬ観光タイムを過ぎての京都入りのため、
バスの一日乗車券も買わずに駅から宿泊先へ直行。
予定チェックイン時間に遅れないくらいのスタートだったが
すぐに分かると思った宿泊先に辿り着けず少しだけ体力と時間を浪費する。
さすがに6年以上経つと、いろんな場所や部分が、少しずつ変化を遂げる。
そういえば京都駅構内も黒を基調にモダン(…)で少し近未来な雰囲気を醸し出していた。
外観も、あれ?こんなガラスのオブジェみたいなのついてたっけ?と思いつつ
自分の記憶とどちらが確かかわからんなと納得。


たぶんこっちだと思うけど、こんなに大きい道路じゃなかった、と反対方向に進んだが
直感を信じるべきだった、やはり最初に思った道が正解だった。
なんだか昔より距離が伸びている気がする、そんなわけはないが。と思いつつ坂を下りに下り
それでも目的地が現れない。
こりゃやっぱり間違えたと思ってバス停まで引き返し、交通整理中の人に道を尋ねる。
指差されたのは引き返す前の坂道だった。
コントでもこんなに何回も繰り返さんぞと自分を戒めつつ、また坂を下って下ってようやくチェックインした。


この日は、あとはすることがないので、とりあえずお店が開いているうちに四条河原町の方とか行ってみよう、と思い荷解きを済ませて歩いた。
泊まっているのが清水寺の下の五条なので、行けないことがないと思い少し寒い夜を練り歩く。
ここでも方向音痴を発揮して反対側に歩いていたので結構歩いた。
「さらに歩くと九条に進むよ」と標識に教えられ、慌てて踵を返した。
なんとなく、京都タワーが見える方に向かって歩いていたのでした。
あれは駅に行く時の目印にするべきなのね。
五条に戻りながら、なんのお店だかわからないお店の中にいたワンコを発見。
ぬいぐるみみたいで全然動かない。
あれ?目が合った?と思って近づいていくと、階段から降りてきた。

俺の待ち人じゃないや…いや、俺の待ち人やあらへん?という感じでさみしげ。もしくは興味なさげ。


時間は19:30前。う〜ん、目的のお店の閉店時間が20:30で、ここから1時間も掛からないだろうけど
四条に出ても迷うだろうなあ、という焦りと
旅先で焦ってどうする、散歩だこれは、という屁理屈を一緒に踏み均して無事四条京阪前に。
五条のあたりの橋にあった、弁慶と牛若丸がどうたら…っていう小さい公園の注意書きのゆるさに和んだりもしつつ。


辿り着いた中心街?おお、賑やか賑やか。
ここらへんだとやはり若者も多く、格好もこっちで見かけるのと同じ感じ。
ipodの音量を絞った時だけ、見慣れた姿かたちの女の子達のお喋りで、自分が今京都、というか関西にいることがわかる。


意外とはんなり、違うすんなり目的のつげ櫛専門店、十三やに到着したのが20時前。

想像よりもかなり小さい店構え。
店員さんもいっぱいいて、格式高く敷居も高い、というのを想像していたので拍子抜けするが入りやすいので嬉しい。

おそるおそる、というかこちらを探るような感じの、口数の少ない店主と思われる方に質問しつつ
櫛を選んで購入。
簡易包装でよろしいですかと聞かれ肯くと
それでも包装紙できれいにくるまれた小さな程よい重さの包みが渡された。
これから使い込むのが楽しみです。
別の日にここを通りがかると、やはりこの時の男性が忙しく接客をしていた。
ので、たぶんこの人が15代目(かな)だったんだと思う。
お店のレジが昭和から使い続けているような大きくて古いもので
値段表示はパタパタ数字を切り替える時計のあれと同じ。
す、すごい・・
でも、カードはカードで使えます。


というわけで最初のミッションコンプリート。
最初のミッションが自分へのお土産です。
へえ、一人旅ですから。気兼ねなんてしません。他人への気配り(=お土産)なんて後おす。
と思いつつ、後になってから観光客で溢れ返る京都を甘く見ていた自分を悔みました。
すごいね〜観光シーズンまっさかりの観光地ってすごいね〜
比較的ゆったりした時期しか見てないと取り残されるね〜
なんだろう、そりゃ都内の新宿とか原宿とか渋谷だってごった返してるけど
あれはもう日常だもんな。
この時期の地元の人が、若干うんざりしたような顔になっているのを見ると
「ああ、荒らしにきてしまいましたけど、すいませんねえ」と思う。
この慌ただしさをくるくる活き活き切り盛りしている人達は、それはそれで「やり遂げている」感じが忙し笑顔から見てもとれるが。
しかしこんな中でも、自分達にとっては「観光地」ではなく普段の場所である、
その「観光地」の地元の人は普段通りそこに足を向ける。
かましくて嫌じゃないのかなあと思うんだけど、観光地がホームだともう慣れっこの部分もあるのかもしれない。
観光地に赴く度、地元の人達の観光客へのあしらい方にも、この慣れが見受けられる。
あしらい方は、やっぱりその土地で色が変わるけども。
もっと西へもっと南へ、九州だとこのあしらい方が、なんだかひとつのエンターテイメントのようで
話しかける人話しかける人待ってましたとばかりに嬉々として応えてくれる。
じゃあ京都ではどうかというと…
なんだろなあ。もっと慣れてるんだよね。たとえ中学生だとしても、なんというかたとえば道を教えるのでも地域住民としてのボランティアをしていますという感じがする。
いや中学生には話しかけなかったけど。
とりあえず余計なことは言わないよね。
商売人だとまた違うところがあるが。
その中でもやっぱり一番多く観光客と接するであろう、
飲食店やお土産物屋さんの人達は笑顔が営業用につくられているんだけど
でもどこかが関東とは違う顔をしている気がする。


喧嘩口調、早口がデフォルトの土地で育った私としては、
京都の人の言葉がとってもゆっくりしたものに聞こえてしょうがないんだけど
やっぱり方言がどうのというより、このスピードの違いが一番大きい気がした。
タイムラグがあるというか。
向こうは、考えてものを言うとしたら、その「考えて」る時には本当に考えてるので間をつなぐような言葉を入れたりしないことが多い気がする。
早口でとりあえず言葉にする人からすると、「え?なんだ?どうした?怒らせたか?」と思って危惧したり。
角が立たないよう遠まわしに言う、というのが京都のもの言いだとは言うが
口数自体も控え目なような気がする。
若者同士の会話は違っていたけどね。
京都のギャルの会話は新鮮でした。
内容は同じなんだけど、こうも違う・・!
ギャルですから、やはり少しだらっとしているのですが、でも「〜じゃん」じゃないわけですよ。おもしろい。


会社に大阪出身の人がいて毎日大阪弁を聞いていて
大阪支社から電話があればそれももちろん大阪弁
もう別に大阪弁珍しくないです、メールでも大阪弁出てますよ部長、って感じの環境に二年もいたら
前回あったような
「おお、関西弁!」
「おお、本場の『おおきに』!!」
という新鮮味が薄れてしまって少し悲しかった。
と、そんなしょんぼりした中、GWシーズンピーク!という市バスの大混雑でうれしい出来事。
入口から乗ってきた人が入りきらず、出口周辺の人にもっと前まで進むよう言っていた運転手のおっさんが業を煮やし言い放った。
「もっと、もっとこの辺までお願いします。
 そこです、もっと気張って詰めて下さい!」
おお、「気張って」!!


方言への新鮮味は薄れつつあったものの、逆にイントネーションの違いに耳が動いた。
同じ「ひとつ」でも、「つ」が上にあがるイントネーション。
あと、お店の名前にも「さん」をよく付ける。
関西ではなんにでもさん付け、というのを昔聞いたけど
これは本当にみんなさん付け。
お寺の道を聞いて、「南禅寺は…」とこちらが言うと「ああ、南禅寺さんですか。えーとね…」と返されると、なんだか行儀を知らない子供が行儀に気づいたような恥ずかしい心持ち。
お寺はまだしも、お店にもつけるからねえ。
「おめん というお店に…」「おめんさんですか。おうどんの。」
関東だってお店のアクセスマップに「TSUTAYAさん」とか「セブンイレブンさん」とか書いてあるところは普通だが
こちらの「さん」は、それとはなんか違う。
親しみを込めての「さん」付けのように聞こえるんです。
唯一付かなかったのはクラブかねえ。



まとめっぽくなってきたので一日目終わり、と思ったけど
この日は銭湯に行ったのだった。なのであと少し。
たぶん前回も入ったお風呂屋さんで、結構古い。
入口は男女で別れてます。
女側の入口ののれんはアニメ風乙姫の絵が描かれてました。


ここは小さいけどサウナと日替わり薬膳風呂があります。コーヒー牛乳は時間の関係で売り切れてた。悲しい。
しかし、この日幸運に恵まれ湯を浴びる舞妓さんを見ることができた。
いかんと思いつつちらちら見てしまう。
もちもちとした、一手お願いしたいとむらむら思うようなもち肌の若い舞妓さんでした。
舞妓さん、歯磨いてる。舞妓さん、お湯に浸かってる。…あ、舞妓さん、出ちゃった…
という、一喜一憂をたのしみました。
ちなみに他には、祇園界隈のあんな感じのお店にお勤めかしら、という中年女性(そりゃ女性か)や
いかにも玄人って感じの初老の方など。
人が少なかったので妊娠初期と見紛う腹をぼーんと出してリラックスしてきました。