子供を二回生んだ。どちらも手のひらくらいのひどく小さなサイズだった。
一人目は女で、2人目は男だった。
男児のペニスは細く長く、形は成人のものに似ていた。
2人ともかなり白く、赤ん坊の瑞々しさはなく乾いてひびわれているようだった。
泣き声はあまり聞こえなかったが口が動いているのは見た。
一人目はいつの間にかいなくなり、風呂に入っていたので少し白く濁った浴槽を探したが見つからず、私はおぼれて死んだのかと思い少し罪悪感を覚えた。


二人目も風呂に入れていた。手のひらサイズの男児を両手で抱えるようにして水を浴びさせ、だんだん愛着が湧いてきたのか、息を吹きかけたりして遊んでいた。私は少しの満足を感じた。風呂の向こう側に父や母の若い笑顔が見えた気がする。
誕生は予期せぬものだったので、必死に父親を思い出そうとした。
どうにか記憶を辿るとそれはアンゴラ出身のイギリス移民ではないかと思い、将来子がどんな顔になるのかと思うと顔が少し強張った。



ここ数年、よく出産の夢を見る。妊娠もだけど。
出産という項だけで夢占いをすると、いい夢っぽいんだが
死産ぽかったり、生んだ子の顔が醜かったり(もしくは人間じゃなかったり)するので、これはよくない夢と解釈するほうが賢明な気がする。
死産とか醜い子を産む夢は失敗や困難やらの暗示なんだとか。
(=ちなみに目が覚めてメールチェックしたら面接落ちた連絡が来ていた)


大体において出産や妊娠が絡んだ夢を見る時、私の心情は困っていたり、不安なものが多い。
出産も妊娠も夢の中でメッセージに変換するといいものなのにも関わらず。
でも今回、入浴の場面では少しだけプラスの感情があったな。
子供と関わることが少しだけ増えたことの現われかもしれない。


最後の父親は誰だ問答は、妊娠したとのたまった男に対し「父親は誰なわけ?」と冗談で返していた昨晩のことからきていると思う。
昨晩はたしかに最後にセックスをしたのがどれくらい前か、という会話もした。
そしてその期間を思い出して「春だ。まあ一年経ってない。半年か。」と言ったり、相手は誰か思い出したりした経緯は夢の中のそれともよく似ている。
夢の中で「春にしたのに今妊娠する/産まれる(妊娠と出産のイメージが交互していた。おまけに子供は私がいきむことなくいつのまにか生まれていた)とかありえるのか」とかも考えた。
でもそれは夢だからか、やはりそこまで数を数えたり確認することは途中でやめた。



夢の解釈は大体こんなもんで合っているのだろうか。
とりあえずまた面接に落ちたということなんだけど
こんなにわかりやすいのは初めてなんじゃないだろうか。
でも夢が醒めてすぐ「ああこのことだったのか」とわかる未来が出てきてしまうのには、あまりにもつまらない。